マカンシリーズのトップグレードであるターボ。現行モデルはテールランプが1本化のデザインに変更となっており、こちらの個体は1本化になる前の高年式最終モデルでございます。

マカンターボは乗った瞬間からタダモノではないオーラを放ち、V6ターボはスタートした瞬間からズボボボと迫力の音とともにエンジンが目を覚まします。
リアルタイム可変ダンパーの「ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム」（PASM）を最も柔らかいノーマルモードにしても、くたびれた路面ではドスドスという上下動は感じられますが、車体はとにかく硬質でミシリともいわず、高速では矢のようにまっすぐ走る感じはまさにスポーツカー。ステアリングは“敏感”ではなく、真の意味で“鋭い”という表現があっている感じがします。まさに手首のわずかな動きにも正確に反応するリニアぶりです。
装着されているスポーツクロノパッケージは、モードによってスロットル特性も変わっているのですが、どのモードでも過剰な演出感はほとんどありません。ステアリングもパワートレインも、まさにリニアの権化というべき内容。

マカンの記憶をたどれば、こうした手応えや剛性感は基本的にマカン本来のものだが、 ターボの底知れぬパワーを秘めた凝縮感というか、内側からパンパンに張った筋骨感は素マカンの比ではないです。マカンターボにはどことなく、すべてが元サヤというか、これが本当のマカン……と主張しているかのごとき、おさまりのよさが歴然とある事を誰もが感じられるのではないでしょうか。
そしてこのクルマのすごみを最も感じられるのは、ワインディングロード。もっといえば、できるだけ道幅がせまく、アップダウンが激しく、コーナーが複雑で、曲率がキツいほうがいいでしょう。
マカンターボのエンジンはマカンSと同じくV6ツインターボですが、Sの排気量が3リッターなのに対して、ターボは3.6リッター。400ps／56.1kgmという最高出力／最大トルク値は、Sの約2割増し、素マカン比では実に5割増し以上なんです。
にもかかわらず、その猛烈なエンジンパワーをワインディングで見事に支配しきって走ることができます。しかも、その体感サイズと重量はあたかもコンパクトサイズか？と錯覚させるほど小さく軽いです。
素マカンより車検証の前軸重量が130kgも増しているのに、単独で乗っているかぎりはハナ先の重さなどこれっぽっちも意識させない点はさすが。ステアリングを切った瞬間から、本当に切ったまま強力にノーズがイン側に引きずり込まれます。

こうした異次元の走りを実現しているのは、この車体とサスペンションの剛性に加えて可変ダンパーのPASM、そして4WDといったハイテクの数々。しかし、その存在を必要以上に主張せずに、乗っている自分の運転がうまくなったかのように錯覚させるのも、最も黒子に徹した仕立てになっているからこそなのではないでしょうか。
ハイパワーなターボエンジンもあくまで扱いやすく、“パワーバンド”を特に意識せずとも、いつも通りに運転していればいいのです。いやホント、とんでもなく速くて、ありえないくらいに軽快な走りなんですが、同時にその運転はまったくコツいらずで、そして安全に運転ができる。それがマカンターボなのです。

「カイエン ターボ」もありえないくらいの運動性能を発揮しますが、実際にはその重さや重心高を意識させられて、それに合わせたドライビングを要する部分は確かにあるように感じられます。しかし、より小さく軽く、そして明らかに低重心のマカンターボは、もはや地球に重力の法則など存在しないかのような、そんな非現実的な事も思わせてくれる素晴らしいクルマなのです。

さて、上質なのは走りだけではありません。ドライバーのみならずお乗りになる全ての方を「ポルシェ」の虜にさせてしまうインテリアをご覧いただければと思います。ドアを開けると深紅に染まったガーネットレッドのレザーシートやステッチで装飾されたインパネ類、直線的なダッシュパネルやスイッチ類がずらりと並ぶセンターコンソール、開放感のあるパノラミックサンルーフがお出迎えします。ポルシェの他のラインナップと同様、高級感とスポーティさを兼ね備えたインテリアとなっており、革巻きのステアリングとその奥に配されたメーター類の意匠もポルシェ以外の何物でもありません。


◎付属品◎
取扱説明書/保証書兼整備手帳/スペアキー1本/
ポルシェセンター浦和にて初度登録、１オーナー。

◎メンテナンス記録◎
2019年11月　21km時
PC浦和
2020年1月　463km時
PC狭山
2020年6月　2345km時
PC狭山
2021年6月　15416km時
PC狭山
2022年6月　45844km時
PC狭山

◎主な標準装備◎
7速PDK/ボディカラー同色塗装サイドブレード/PASM/アダプティブスポーツシート（18Way）/アルカンターラルーフライナー
マカンターボホイール/レッドキャリパー/ブラッシュアルミニウムインテリアパッケージ/BOSEサラウンドシステム
タイヤ空気圧モニター/アイドリングストップ機能/ETC2.0/純正PCMナビ（Bluetooth/CD・DVD/USB端子）/電動格納ミラー

◎追加搭載オプション装備◎
電動パノラミックサンルーフシステム/20インチRSスパイダーデザインホーイル/エントリー＆ドライブシステム/スポーツクロノパッケージ
パークセンサー（フロント/リア）/ガーネットレッド＆ブラックレザーインテリア/シートベンチレーション（エアシート）/シートヒーター/レーンチェンジアシスト
フロアマット/前後（車内）ドライブレコーダー



ボディサイズ：全長×全幅×全高＝470cm×192cm×162cm
車重：2020kg
駆動方式：4WD
エンジン：3.6リッターV6 DOHC 24バルブ ツインターボ
トランスミッション：7速AT（PDK）
最高出力：400ps（294kW）/6000rpm
最大トルク：550Nm（56.1kgm）/1350-4500rpm
タイヤ：（前）265/45R20 104Y／（後）295/40R20 106Y